さて、たくさんの出展作家の方々から工房へ無事戻りましたとのメールを受け取りました。
そこに添えられた文章の一部を許可をいただき転載し「凪ぐ浜の宝もの」として、皆様と共有させていただきましたのも、このへんで閉じたいと思います。
締めには、風人を担ってくださいました木工作家の岡林厚志さんからの言葉を共有いたします。
岡林さん、撮影部!も担ってくださったので、開催後のブログ掲載の多くが岡林さんの撮影です。
なので・・・岡林さんを写した写真がないのです。
すみません。
風人テントの写真をお載せしますね。
こちらの什器も実は岡林さんの作成です。
今年は風人テントのタイトルが「めぐる手仕事の庭」であったことや庭ツアーもあり、いつにも増してお庭について想いを巡らす年となりました。
丹精なお世話と時間とを幾重にも重ねた、重層的で濃密なお庭。
豊かなお庭はそのまま、関わる人々の豊かな時間の顕れなのだと思います。
丹精に、続けてゆくこと
風人テントでは今年、工房からの風がずっと大切にしてきた「作家の言葉」に焦点を当て展示しました。
個人的に今回の展示は内容的にも結果としても佳いものが得られたと思っているのですが、これも回を重ねることで、今回の試みと今までに取り組んできたものが重層的に響き合うことで得られた結果だと思っています。
きっともっと以前に同じことをしていても、このようにはならなかった。
続けることで、醸成されるものがある。
当たり前のことですが、今回はそれがすとんと胸に落ちてきました。
工房からの風の役割。
風人の役割。
風人同士の会話の中で話題に上がったものです。
今、たくさんのクラフトフェアや野外展があるなか、工房からの風の役割とはなんなのか。
さまざまな面があるとは思いますが、ひとつの大きなものとして、出展した作家に今後へとつながる「養分を手渡す」ことにあるのではないでしょうか。
それはいつかその人の庭の実りとなり得て、ひいては工藝の世界全体や使い手にとっての実りとなる。
けれども養分を渡し続ければそのうちに土は痩せて、衰えていってしまいます。
そこに、養分を手渡された作家たちがそれぞれ自分なりにそれを醸成し、土に還元することで、土壌はよりふくよかに、あたたかく育っていく。
それは作家自身が工房からの風に対して、感謝と御礼の想いがあるからこそ出来得るもの。
あたたかな循環を担う。
いささか単純ではありますが、それが工房からの風の、風人の役割のひとつのように思います。
今回の出展者の皆様も、少しでも何か、今後につながるものを持ち帰ってくださっていることを切に願っています。
「工房からの風」が終わった後、風人さんたちが、ご自身のSNSや出展作家のSNSにコメントで、
わがこことのように(わがこととして)ご出展やご来場への感謝を記していらしゃるのをみて、
主催者ではないけれど、主催者のような気持ちでいてくださるんだなと感謝の気持ちでいっぱいになります。
と同時に、わがこととして取り組まれたことが、風人さんたちの作家としての養分、糧になってほしいと願います。
あたたかな循環を担う
こんな想いの作り手たちと共に創る時間と場。
来年の「工房からの風」に向かって、心は始動しています。
岡林厚志さんのHPはこちらです。
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